プラザキサ 製品紹介Upcoming Clinical Trial 
RE-CIRCUIT試験

カテーテルアブレーション周術期にNOACが継続できれば大きなベネフィットになる

奥村 謙 先生

奥村 謙 先生

済生会熊本病院 心臓血管センター
不整脈先端治療部門 最高技術顧問

アブレーション技術は著しく進歩し、心房細動の根治治療として確立しつつある

カテーテルアブレーション治療(アブレーション)は心房細動、特に発作性心房細動を根治に導く可能性のある治療法です。その手技やデバイスは著しく進歩し、例えば3Dマッピングの導入により、X線透視時間は10分以内と大幅に短縮され、X線透視に依存しないカテーテル操作が可能になりました。また、カテーテル先端の接触圧を測定するコンタクトフォースを用いることで、不完全焼灼によって肺静脈の隔離が不十分となることもなくなりつつあります。こうした技術の進歩により治療成績が向上したことで、発作性心房細動の1年間の再発抑制率は90%以上となり、アブレーションは根治治療として確立したと言えるでしょう。現時点でアブレーションの適応となるのは、「薬物治療抵抗性で有症候性の発作性および持続性心房細動」ですが、今後は治療の第一選択としてアブレーションを検討する時代になると考えています。

現在はアブレーション周術期にはNOACを一時休薬するのが一般的

アブレーション周術期の抗凝固療法については、いまだ確立した方法はありません。最近、アブレーション周術期においてワルファリンを中断してヘパリンでブリッジした群に比べ、ワルファリンを継続した群で血栓塞栓症や出血のリスクは低くなることが示されましたが、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)については十分なエビデンスはありません。当院ではNOACの服用を術当日の朝のみスキップし、1日2回投与のNOACは術当日の夕方から、1日1回投与のNOACは翌日の朝から再開しています。プラザキサをはじめとするNOACはワルファリンと比べて効果発現が速く、効果消失も速いのが特徴です。したがって、術直前の服用をスキップすれば、術中は効果が消失しており、安全性は確保できていると考えられます。一方、アブレーション周術期にNOACを継続し術当日の朝も服用した場合には、血中濃度がある程度高い時間帯にアブレーションを施行することになり、有効性は確保されるものの、安全性が課題となります。

アブレーション周術期にNOACを継続したときの安全性を検証する

アブレーション周術期にNOACをスキップせずに継続したときの安全性の確立はアブレーションに携わる我々にとって大きな関心事でした。それを実証するために計画されたのが国際多施設共同試験であるRE-CIRCUIT試験で、わが国からも複数の施設が参加しています。同試験の目的は、アブレーション周術期の抗凝固療法として、ワルファリンを継続する群を対照に、プラザキサを継続する群の非劣性を、出血性イベントを主要エンドポイントとして評価することです。いまや当院でアブレーションを希望される患者さんの約7割がNOACを服用しています。ランダム化試験であるRE-CIRCUIT試験において、アブレーション周術期の抗凝固療法の新たなエビデンスが得られ、プラザキサ継続の安全性と有効性が実証されれば、多くの患者さんにとって大きなベネフィットになると期待しています。