プラザキサ 製品紹介Upcoming Clinical Trial 
RE-CIRCUIT試験

カテーテルアブレーション周術期におけるNOAC継続投与の安全性が実証されることを期待したい

清水 渉 先生

清水 渉 先生

日本医科大学大学院医学研究科
循環器内科学分野 大学院教授

心房細動のトリガーとなる部位を十分に焼灼することで洞調律維持率は向上

心房細動に対する薬物治療では、心房細動そのものが致死性の疾患でないこと、また、レートコントロールとリズムコントロールで予後に大きな差が認められないことから、患者さんのQOLを高めることが重視されるようになってきました。一方、カテーテルアブレーション治療(アブレーション)はリズムコントロールの究極の治療法であり、心房細動の根治が期待できます。アブレーションは、有症候性かつ抗不整脈薬に抵抗性の発作性または持続性心房細動が適応となりますが、若年の患者さんの場合は長期的な管理や予後を考慮して、無症候性であっても発作性心房細動に対するアブレーションを検討するケースが増えています。
当院では、発作性心房細動に対して、拡大肺静脈隔離に加えてルーフとボトムにもラインを引きます。持続性心房細動に対しては、さらに僧帽弁、三尖弁および下大静脈にラインを引き、CFAEも焼灼することで、治療成績の向上に努めています。その結果、発作性では9割以上、持続性でも8割近くの患者さんで洞調律が得られるようになりました。最近では、バルーンを肺静脈に挿入して冷凍焼灼するクライオバルーンアブレーションが、発作性心房細動に対して保険適用となりました。クライオバルーンアブレーションは均一かつ短時間で一括冷凍焼灼ができるため、今後普及していくと思います。

アブレーション周術期の抗凝固療法は安全性を確認しながら休薬期間を短くする方向へ

最近では、アブレーションを希望して紹介受診される患者さんの多くは、すでに非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)を服用しています。NOACは投与後速やかに効果が期待できることから、心房細動が見つかったらすぐにNOACを投与し、その上で当院に紹介されるというケースが増えています。
当院では、アブレーション周術期の抗凝固療法としてワルファリンを用いる場合は、術中も投与を継続しています。一方、1日2回投与のNOACの場合は、前日夜と当日朝の2回休薬して、術後の夜から再開していましたが、当日朝のみ休薬する方法での安全性を示す報告も増えてきたことから、今後は当日朝だけ休薬する方針です。また、何時にアブレーションを施行するのかによって、休薬や服用再開のタイミングをずらすなどの工夫も今後は必要だと感じています。1日1回投与のNOACの場合は術当日に休薬しています。受診時に洞調律だった発作性心房細動の患者さんにはヘパリンブリッジは実施していません。
プラザキサをはじめとする1日2回投与のNOACは、休薬期間が半日で済みますので、アブレーション周術期には使いやすい薬剤だと思います。そして、休薬しなくても安全性に問題はないことが確認されれば、アブレーション周術期の抗凝固療法はさらに簡便になります。

プラザキサ継続投与での安全性が実証されることを期待

RE-CIRCUIT試験では、アブレーション周術期の抗凝固療法として、既に安全性が確立しているワルファリン継続投与を対照に、プラザキサ継続投与の非劣性について、大出血を主要エンドポイントとして比較検討します。本試験の結果から、アブレーション周術期にプラザキサを継続投与しても出血リスクが増加しないことが実証されれば、アブレーション周術期の適切な抗凝固療法を考える上で重要なエビデンスになると思います。心房細動の増加、治療成績の向上を背景に、アブレーションを希望される患者さんは今後増加していくと予測されますから、RE-CIRCUIT試験の結果には大きな期待を寄せています。