プラザキサ 製品紹介Upcoming Clinical Trial 
RE-CIRCUIT試験

何よりもカテーテルアブレーション周術期に安全にNOACが継続投与できるエビデンスが得られることを期待したい

里見 和浩 先生

里見 和浩 先生

東京医科大学八王子医療センター
循環器内科 准教授

患者さんの希望を考慮しながらアブレーション施行を検討

心房細動に対するカテーテルアブレーション治療(アブレーション)がわが国に導入されてから15年以上が経過しました。アブレーションは従来、薬物治療抵抗性発作性心房細動の患者さんを主な対象としていましたが、「心房細動を根治したい」という患者さんのご希望や、手技、デバイスの進歩により、近年では早期にアブレーションを施行するケースも増えています。また、若年の心房細動患者さんの場合、生涯にわたり薬物治療を継続していくことは大変なことですから、患者さんの負担を軽減するためにアブレーションで根治を目指すこともあります。特に、発作性心房細動の場合はより根治できる可能性が高いことから、若年の発作性心房細動患者さんに対しては、症状が軽度であっても積極的にアブレーションを勧めています。アブレーションは薬物治療と対立するものではなく、心房細動の治療選択肢の1つとして確立していると考えています。
高齢者におけるアブレーションの適応を判断する際には、年齢よりもフレイル(Frailty)を重視しています。薬剤の副作用が発生しやすい高齢者においては、アブレーションによって治療薬の減量・中止が可能になることは患者さんにとって大きなメリットです。例えば80歳の高齢者でも、ADLに問題がなく、ご本人が希望する場合はアブレーションを施行しています。

アブレーション周術期のNOAC投与は同様のプロトコールで実施

当院では年間約130例の心房細動患者さんにアブレーションを施行しています。アブレーション周術期の抗凝固療法について、ワルファリンはPT-INRが適正に維持されていれば、そのまま継続しています。非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(NOAC)は今のところ中和薬がないため、術前日の夕方から中止してヘパリンブリッジを行い、術翌日の朝からNOACを再開して、ヘパリンを中止しています。NOACには1日2回投与と1日1回投与の薬剤がありますが、種類によってプロトコールを変えてしまうと誤薬が生じる可能性があるため、当院ではすべて同様のプロトコールで中止・再開しています。

NOAC継続投与の安全性のエビデンスが得られることを何よりも期待したい

近年、アブレーション周術期もワルファリンを継続投与することで、出血性合併症を増加させることなく、血栓塞栓症のリスクを管理できることが報告され、アブレーション周術期の抗凝固療法が行いやすくなりました。RE-CIRCUIT試験は、アブレーション周術期の抗凝固療法として、出血性イベントを主要エンドポイントとした、ワルファリン継続投与に対するプラザキサ継続投与の非劣性を検証する、日本を含む国際多施設共同試験です。また、最近では、アブレーション周術期のヘパリン投与による出血性合併症が問題視されています。そうした課題を解決するためにも、アブレーション周術期におけるプラザキサ継続投与の安全性と有効性を検討するRE-CIRCUIT試験は意義のある臨床試験だと思います。RE-CIRCUIT試験で、いまやアブレーション周術期の抗凝固療法として確立されているワルファリンと同様に、プラザキサがアブレーション周術期でも安全に継続投与できるエビデンスが得られることを期待しています。